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2012年3月20日 (火)

やけ酒

「やれ打つな蠅もやけ酒一人酒」 朝日川柳に載った句である。2~3日前に「ハエもやけ酒」? と題する、概要下記のような記事が紙面にあり、それを受けたものだ。この記事を興味深く読んでいたので、上の句を一読したとき、川柳の真髄を教えてもらったような気がした。

アメリカのチームがショウジョウバエを使って、欲求不満によるストレスと行動について実験したところ、交尾ができない状態に置かれたオスは、そうでないオスに比べてアルコール入りの食物を多く取ることがわかったと、科学誌サイエンスに発表した。

この実験では、メスに振られたオスは、満足感が高いときに脳内で増える神経伝達物質の量が少なく、交尾できるオスは、神経伝達物質の量が多い。そして、神経伝達物質が少ないときアルコールの摂取量が多くなり、多いときにはアルコールの摂取量が少なくなる。交尾ができず、伝達物質が不足した状態が続くと、脳に満足感を与えるアルコールに依存するようになる。哺乳類にも同様の物質があり、アルコール依存症の仕組みの解明につながる可能性があるという。

「ストレス解消にアルコール」の図式は、太古の昔から、生物界に存在しているのかもしれない。

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