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2012年5月 9日 (水)

辻風

「ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。よどみに浮かぶうたかたは、かつ消え、かつむすびて、久しくとどまりたるためしなし。世の中にある人と栖と、またかくのごとし。」 平安時代末期に書かれた「方丈記」の冒頭の部分である。

作者 鴨長明はまた、「治承4年卯月のころ、中御門京極のほどより、大きなる辻風起こりて、六条わたりまで吹ける事はべりき。」と書いている。 「1180年4月、大きなつむじ風が起き、3~4町を吹きまくる間に、建っていた家々は大きいもの小さいもの、1軒たりとも毀れないものはなかった。家の形を残したまま、ペシャンコにつぶれてしまった家もあった。桁・柱だけしか残っていない家もあった。風は門を吹き飛ばし、4~5町の彼方へ移し置き、また、間の垣根を吹き払って、隣と一つの家へと変えたりしてしまった。」というのである。

過日の竜巻同様、当時も竜巻の大きな被害が発生し、長明はそれを文章で書き遺している。

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